3.産業振興における主要課題
 主要課題をまとめると、次の2点が挙げられる。
 


(1)産業コーディネート機能の強化
 県内企業の研究開発、販路開拓、資金供給、経営、人材育成など多様な支援・相談等のニーズに対しては、迅速な対応が求められている。
 現在の支援体制は、大学、県、公設試験研究機関、産業支援機関などに分散していることもあり、企業ニーズに十分応えられる体制とはなっていない状況にある。
 このため、今後、県内企業の事業の高度化や「売れる商品づくり」、販売促進などを通じた産業振興を進めていく上で、いわゆる「川上」から「川下」までの総合的な産業支援機能の強化充実が急がれる。

(注)【産業コーディネート機能】
  ア.市場の動向や消費者ニーズなどのきめ細かな把握・分析を行う機能、
  イ.地域の資源を発掘し、必要な技術開発・支援により、付加価値の高
  い「売れる商品づくり」を企画・開発する機能、B新たな販路・販売
  手法の開拓や新規顧客の獲得を目指す営業・販促機能、C研究開発部
  門、製造・生産部門、営業・販売部門間の調整機能などを併せ持つ、
  いわゆる「川上」から「川下」までの総合的な支援機能をいう。

(2)技術力の強化と共同研究体制の構築
 これからの産業振興における重要な課題は、地域ポテンシャル(研究開発機関、研究者、地域技術)の活用と先進技術の導入による個性と競争力のある産業の形成である。
 特に、県内の特定地域に集積している地場産業は、地域経済を支えているのみならず、本県の地域ポテンシャルをアピールできる産業である。そのためには、地域資源を有効に活用して高付加価値製品の開発を行っていく必要がある。
 例えば、食料品製造業においてはバイオ関連産業や機械器具製造業との連携を通じて、また、木製品製造業においては住宅関連産業や機械器具製造業との連携を通じて、本県の豊富な農林水産資源を有効に活用した高付加価値製品の開発を推進していく必要がある。
 このように、本県の企業をより付加価値の高い産業へ転換させ、競争力のある産業を育成していくためには、先進的な技術や独自性のある新技術を開発できる技術力の強化が不可欠である。
 このため、大学や公設試験研究機関が、先導的にエレクトロニクス、メカトロニクス、バイオテクノロジー、新素材、資源リサイクル・環境技術などの将来を見据えた新たな技術課題にこれまで以上に取り組むとともに、キープロジェクト方式を中心として事業化までを睨んだ産学官連携の共同研究、研究交流を推進するための体制を強化する必要がある。  さらには、公設試験研究機関の設定する研究テーマと調整を図りつつ、異分野における新技術開発能力の開拓という観点から、企業が大学との間で行う共同研究に対してはこれを強力に支援するなどして、研究開発資源としての大学を企業のパートナーとして近距離に位置させる必要がある。 また、こうした取組みを一層効果的に展開していくためには、研究テーマの選定・評価、研究計画及び研究成果の評価、産学官の技術交流、共同研究の推進について、総合調整を行う機能の整備が必要である。


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