クイック リンク


統計資料 動植物 景観 歴史 祭りと芸能 食文化
伝統工芸 方言 温泉 人物 交流団体 企業



食文化




1.粉食の文化

   a)小麦
      ・餅と饅頭
      ・南部煎餅
      ・「はっとう」と「ひっつみ」
      ・鶏卵
   b)大豆
      ・豆しとぎ
   c)いも
      ・おずけばっと


 青函地域は、粉食の文化が息づいています。小麦・蕎麦・大豆など雑穀を粉にし、練って加工したものを食べる。ことに小麦は「麦はっとう」(うどん)や「ひっつみ(取って投げ)」(水団)など、ヤマセが厳しく米に頼れなかったこの地域の主食にもなってきました。
 雑穀は米に混ぜて炊いても食べますが、粉にして加工することも多い。そのほうが貯蔵に向きますし、料理の幅も広がります。これを「粉食の文化」と呼んでいます。
 かつてのこの地方の食事は、一日に五度。朝飯と昼飯のあいだに10時ごろの「小昼」があり、昼飯と夕飯のあいだにも3時ごろの「お八つ」がありました。少しずつ回数を分けて食べることが、農山漁村の労働を支えていたのです。一日の食事のなかで、粉を加工した食品は重要な役割を果たしていました。餅や団子・水団など、さまざまな形で粉に挽いた雑穀が食べられていました。


a)小麦

 小麦をよく食べる地域には、その地域ならではの伝統的な小麦の品種があり、またちいきならではの品種が開発されてきました。青函の地域には、南部地方で伝統的に作られてきた「南部小麦」、青森県で作付が始まった「ねばりごし」、北海道の「ハルユタカ」があります。


餅と饅頭

「もち」といっても、糯米(もちごめ)を搗(つ)いて作る「もち」ではなく、小麦や粳米(うるちまい)を使ったものなど、さまざまな「餅」があります。


・金華餅(南部地方)

 「金華餅」。小麦の皮に胡麻や胡桃の入った餡を包んで蒸したものです。
 木の実をふんだんに入れ、盆の日などに仏さまに饌えます。ありったけの贅を凝らして作るので、「金華」というのです。路上や店に普通に売られている、南部地方のごく普通の食べ物です。
金華餅

・さかずきもち(市浦村相内)

 市浦村相内の、虫送りの日に拵(こしら)えるハレの日の菓子。盃で型を取るところから「さかずきもち」と言います。粳米(うるちまい)の粉をこねた粢(しとぎ)の一種。
 「さかずきもち」は、もともとは、水に浸した米を臼で搗き、これに砂糖を加えて、盃に押し固め、取り出して蒸したもの。蒸しパンのようなモチモチした不思議な舌触りがします。
さかずきもち

 

南部煎餅

 煎餅と言えば全国的には米を材料とする醤油だれで、小麦を練って焼くこの煎餅は確かに珍しいと言えましょう。小麦粉に塩を混ぜ、鉄の焼き型に挟むようにして焼きます。普通は焼くときに黒胡麻をまぶして胡麻煎餅にします。かつては一般の家庭でも囲炉裏で焼いていました。南部の全域で作られていますが、八戸が発祥の地のようです。
 南部には「煎餅汁」という食べものがあります。鶏肉に笹掻きした牛蒡や人参、それに茸や葱を入れて、醤油で味をつけます。煎餅汁には煎餅汁用の煎餅があって、胡麻は入らず半生で多少の水分を含みます。


「はっとう」と「ひっつみ」

 「はっとう」とは、いわば麺類の総称です。語源は甲州の「ほうとう」と同じ、粉を練って切った「はくたく」(食+専・食+屯)です。南部では、小麦の「はっとう」を「麦はっとう」、蕎麦の「はっとう」を「蕎麦はっとう」と言います。「蕎麦はっとう」については蕎麦の項で述べることにして、ここでは「麦はっとう」について見ておくことにしましょう。
 「麦はっとう」とは「うどん」のことです。雉や山鳥・焼き干し・昆布・椎茸・人参などでとった出汁を、醤油または「しまし」(味噌を溶いて濾したもの、詳しくは蕎麦の項を参照)で味付けする。
 「ひっつみ」は、南部地方で秋から冬にかけてよく食べる、水団のことで。よく捏ねて耳たぶ程度の柔らかさにした小麦を、「ひっつみ」(ひきちぎって)鍋に投げ入れる。「とって投げ」と呼んでいる地域もあるようだ。出汁は「はっとう」と同じ。地域によっては、焼き鮎を乾したものや、擂り潰した藻屑蟹など、その土地の産物を使います。具も、人参・牛蒡など冬が旬の根野菜や、その土地で捕れる魚・肉で、大鍋に簡単に仕込めるので小昼などによく食べます。
ひっつみ
ひっつみ

 

鶏卵

 糯米の粉で拵えた団子に小豆餡を入れて鶏卵のように丸め、椀に盛って昆布と椎茸で出汁をとった澄まし汁を張る。岩手県の南部地方や青森県の野辺地・下北地方、北海道の渡島地方などで法事の際の精進料理に供します。
鶏卵

 

b)大豆

豆しとぎ

 粢(しとぎ)とは粳米(うるちまい)の粉を捏ねた餅です。米を水に浸して搗きつぶす粢を、この列島では神への饌(そな)えものとしてきました。津軽ではこれに小豆餡を入れて焼いて食べるのが一般的ですが、南部地方では大豆(青大豆または黒豆)を水に浸し、粳米の粉と混ぜて、蒲鉾状に整えます。このままでも食べられますが、焼いたり天麩羅にもします。
豆しとぎ

 

c)いも

おずけばっと

 じゃがいもを「寒干し大根」と同じ要領で乾燥させたものを、この地域では保存食にしています。擂り潰して団子にし、「はっとう」や「ひっつみ」のように汁にして食べます。「ばっと」とは「はっとう」、芋の粉で作った「はっとう」という意味でしょう。具は人参・牛蒡・椎茸・白菜・肉・葱など。三戸郡や下北地方、渡島地方などで食べられています。
おずけばっと

 



大事典のTOPへ 項目のTOPへ


このホームページは
Microsoft™ Internet Explorer5.5以降、 Netscape Navigator6.0以降、Opera Software ASA Opera 6.0以降
でご覧いただくことを推奨しています。