草原の海を思わせる仏沼

 
  

 JR三沢駅から車で30分、三沢空港から車で20分のところに仏沼がある。一路、小川原湖の北東部をめざし出発。道の駅みさわ「斗南藩記念観光村」をとおり、道路の右側に小川原湖と太平洋に挟まれた広大なヨシ草原が見える。道路沿い右側にラムサール条約登録湿地の標識板があるのでそこの道路を右に曲がると仏沼である。仏沼の北東端から南側に広がるヨシ丈が低いところを歩くコースは、オオセッカやコジュリンなどの鳥を存分に満喫できるおすすめのコースだ。

 
 

素敵な生き物たちが出迎えてくれる仏沼

 春から夏に仏沼に行くと、歌姫と言われているコヨシキリとオオセッカが「ビジョビジョ」と鳴き舞い上がって歓迎してくれる。美しい澄んだ声を響かせているのは、顔の黒いコジュリン。コジュリンと似て頭が黒くて体が一回り大きいオオジュリンは、首のところに白い襟巻きをしている。オオセッカ、コジュリン、オオジュリンが一緒に見られるところは仏沼だけだろう。 歌舞伎役者の顔をした美しいカンムリカイツブリは、仏沼や小川原湖などで、春に雌雄が互いに向き合って、頸を上下、左右に振り、冠を円形に大きく開き求愛している姿が見られ、夏には、雌雄で一生懸命に魚を捕りヒナに与えている光景が見られる。早朝だとクイナが鳴き、オオジシギが空を滑空し、チュウヒが草原の海をV字に翼を立てて精悍に飛翔する姿も観察される。運がよければサンカノゴイの「ゴウ・・ゴウ・・ゴウ・・」と鳥の鳴き声と思えないような声が聞れることもある。仏沼や小川原湖周辺は、鳥だけでなくトンボやチョウなどの昆虫も楽しめ、トンボでは、北方系のカラカネイトトンボ、マンシュウイトトンボ、盛夏になると南方系のチョウトンボ、世界で一番小さいハッチョウトンボ、大型のオオルリボシヤンマなどが見られる。チョウでは、キアゲハ、ゴマシジミ、ヒメシロチョウなども見ることができる。

 

ワシタカ類、ガンカモ類を観察できる仏沼周辺は魅力的だ

 秋から冬、春先にかけての仏沼周辺は、渡り鳥のガンカモ類、ワシタカ類が飛来する。仏沼周辺の小川原湖では、秋一番に狩猟禁止期間において、キンクロハジロ、ヒドリガモ、マガモ、コガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、オオハクチョウ、コハクチョウなどのガンカモ類が数多く見られ、仏沼周辺の小川原湖や水田地帯では、オオワシ、オジロワシ、ノスリ、ケアシノスリ、コチョウゲンボウ、ハイイロチュウヒなどの猛禽類が見られる。運がよければ、日本初記録となったカムチャツカケアシノスリやアカアシチョウゲンボウなどにも出会うことができる。寒さの緩む2月中旬から3月中旬に国の天然記念物ヒシクイ、マガンなども数多くやってきており、仏沼の上空を「キャハハン、キャハハン」とガンが鳴きながら、V字や竿になり飛び交う姿も見られる。また、音もなく獲物を狙うコミミズクの飛翔する姿やタヌキなどの哺乳類にも出会うことがある。仏沼とその周辺では、これまで約240種ほどの野鳥が確認されている。

 
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