第5.6学年社会科学習指導案
平成11年11月19日
5年生  3名
6年生  1名
指導者  山本 光
 
1.単元
   大単元「わたしたちの生活と工業生産」(35時間扱い)
   小単元「これからの工業と環境」(本時7/7)
 
2.単元について
 わたしたちの生活は、工業生産によって支えられている。我が国の工業は伝統的な技術を生かした工業と近代的な工業との大きく2つに区分することができる。前者では、自然条件を生かし、長い歴史の中で技術や製品に改良を加えながら、伝統を守りつつ産業をさかんにしようとする努力が続けられている。後者では、多くの関連工場からの部品の供給をもとに、機械を中心にした流れ作業による大量生産によって性能のよい製品がつくられていて、その生産は海外にも広がっている。こうした工業はそこで働く人々の工夫や努力により成り立ち、わたしたちの生活にとって、重要なものとなっている。
 また、近代的な工業を中心に見ると、日本の工業は原料を輸入し製品を輸出するという特色があり、工業のさかんな地域は海ぞいに多い等といった共通した条件がある。このほかにも工業の種類と地域にも大きな関係がある。
 このように、工業はわたしたちの生活に深く関わっているわけであるが、よい面だけではなく問題点もある。各地に発生した公害は、工業生産との関わりが深く、公害から国民の健康や生活環境を守るための様々な努力がある。そこでこれからの工業生産は、人と環境に優しいものにしていく努力が大切である。
 児童は前年度までに「地域の学習」や「国土の特色を調べる学習」をしている。今年度は国土に展開する産業について調べ、わたしたちの生活との関連を考えていく。そこで、1学期に学習した農業や水産業を中心とする食料生産に続き、工業生産について学習することで、産業と生活の関わりを理解させるとともに、土地条件や他産業及び外国との関わり、環境保全と資源の重要性について関心を深め、国土に対する愛情を育てて公民的資質の基礎を養うようにするため本単元を設定した。
 本時では小単元「これからの工業と環境」の最終時として、今まで学習してきたことをもとにしながら、人と環境に優しい工業生産について自分なりの意見を持ち発表する。この際、インターネットを利用することで、より多くの人に自分の考えを伝えるとともに、たくさんの別な考えを知らせたい。
 児童はこのあと、生産地とわたしたちや世界を結ぶ運輸と生活との関わりについて学習していく。
 
 
 
3.児童について
 社会科の学習については、課題に対して意欲的に取り組むことが多く、自分なりに調べ、ノートにまとめ、発表することができている。調べる学習では4人ともインターネット上の各サイトを検索して調べることを好み、特に1学期は何を調べるにもインターネットを利用しようとしていた。しかし、自分が必要とする情報がネット上に存在しない場合もあり、最近ではインターネットだけでなく、これまでのように図書室の本や資料集を用いて調べることも多く、必要に応じて資料を選択する力が育ってきている。しかし、資料にある結果からその原因を考察するというような力は不十分である。
 コンピュータリテラシー面では、キーボード入力や基本的なソフトの利用方法ついては多少の差はあるものの全員がある程度使いこなすことができる。特に男子3名は新しいソフトウェアの操作方法の習得も早い。
 インターネットを用いた他者との交流についてはあまり関心を持っておらず、目名小学校ホームページの掲示板に書かれたものや、届いたメールに対して進んで返事を書くことは少ない。そのため、本時では自分の考えをインターネットを通して発表したり、相手の考えを聞いたりすることで、他者とのコミュニケーション能力を育てていきたい。
 
4.単元のねらい
  教科面
・工業生産が人々の手や機械を使って原料を加工し製品をつくる産業であり、国民生活の向上のために大きく貢献してきたことや、そこには公害などの環境破壊や外国との協調問題など様々な課題があり、そこに働く人々の一層の工夫や努力が求められていることに気付く。
・各種の写真、地図、統計等の資料を活用して、日本の工業生産の現状や問題点をとらえる。
・伝統的な工業製品の手作り体験や、インターネットの活用を含めた調べる活動を通して、主体的に学習を展開し、自分なりの意見を表現できる。 
 
  情報教育面
・様々な情報から必要な情報を取捨選択する力を養う。
・自分の考えをインターネット上に公開して意見を求めたり、交流校とリアルタイムで意見を交換したりすることができる。
 
5.単元全体指導計画(35時間扱い)
































































































































 
段階 小単元 ねらい 学習問題 留意点








 
家庭生活の変化と工業製品
(3時間)




 
・家事を便利にしてきた道具や機械を調べ、電気器具などの工業製品によって家事も大きく変わったと指摘できる。 ・身の回りの工業製品は、わたしたちの生活を、どのように変えたのだろう。 ・教室や家庭にある工業製品を発表し学習の意欲付けをする。
 
・工業製品には、大がかりな機械生産や手作業のものがあることに気づき、工業生産はどのように行われているか関心を持つ。 ・昔と変わらない工業製品もあるのだろうか。


 
・人の手でつくられる工業製品には昔から使われているものが多いことに気づかせる。
・2時間


























 
伝統的な技術を生かした工業
(7時間)






















 
・備前焼の生産のようすに興味をもち、人々の努力や工夫について関心をもつことができる。 ・焼き物の作り方を調べてみよう。

 
・焼き物の写真をもとに調べたいことを発表させる。
 
・土づくりから焼き上げるまでの工程の中に伝統的な技術を生かしている様子を調べ、説明図にまとめることができる。 ・工場でつくっている様子を資料を見て調べよう。

 
・製造工程を絵や文でまとめる。


 
・備前焼作りの中心地・伊部地域の観察を通して、備前焼の生産がさかんなわけについて調べる。 ・伊部で焼き物がさかんなのはどうしてだろう。

 
・教科書や資料集をもとに調べる。

 
・原料となる土と燃料について調べ、伊部で焼き物づくりがさかんなわけを自然条件の面から考えることができる。 ・原料となる土や燃料について調べよう。

 
・原料、燃料と生産地との関係に注目させる。

 
・備前焼の開発のあゆみや備前焼を守り育ててきた人々の工夫や努力を調べ、一千年も続いてきたわけについて考えることができる。 ・備前焼が長く続いている秘密はなんだろうか。


 
・人々の仕事に対する考え方をもとに考える。


 
・備前焼をいっそうさかんにしていくために、地域ではさまざまな工夫や努力が続けられていることを調べ、焼き物産業の発展に関心をもつ。 ・地域では、どんな取り組みをしているのだろうか。

 
・備前焼をつくってきた人々の工夫や努力に着目させる。

・2時間






































 
自動車をつくる工業
(12時間)



































 
・プラモデルの自動車づくり、自動車構造図などから部品の多さに着目し、調べる課題をもつことができる。 ・自動車にはどんな部品があるだろうか。

 
・車のプラモデルを見て、部品の多さに着目させる。
 
・自動車工場で働く人の1日の勤務の様子、家族との関わりに関心をもつことができる。 ・自動車工場で働く人はどのように仕事をしているのだろうか。 ・教科書に出ている野中さんの場合で考えさせる。
・工場ではまちがいのない仕事をするために、さまざまな工夫をしていることを調べることができる。 ・働いている人は、どんな工夫や努力をしているのだろうか。
 
・仕事の班の協力と工夫について捉える。

 
・自動車工場の全景や工場内の写真および解説から、車体工場や組み立て工場の様子を調べ、まとめることができる。 ・自動車が次々とできるひみつは、どこにあるだろうか。
 
・パソコンソフトを利用する。

・2時間
・自動車の大きな部品のひとつであるドアをつくる工場について調べ、関連工場の工夫や努力を理解することができる。 ・ドアはどのようにしてつくられるのだろうか。


 
・関連工場の生産の工夫を捉える。


 
・ドアの部品をつくっている関連工場で働く人々の苦労や工夫、および自動車部品の流れを調べ、関連工場の協力が理解できる。 ・ドアの部品はどこでつくっているのだろうか。


 
・部品をつくる関連工場での仕事の工夫と努力を捉える。

 
・人と環境にやさしい自動車をめざしてどんな研究・工夫がされているか調べ、ノートにまとめることができる。 ・これからの自動車づくりは、どんなことを考えているのだろうか。
 
・パソコンソフトを利用する。
・2時間
 
・豊田市がどのようにして農業の町から工業の町に変化してきたか、自動車工業の発展と関連づけてまとめることができる。 ・自動車工業の発展とともに、豊田市はどのように変わってきたのだろう。
 
・資料をもとに、工場と市の関係に着目させる。

 
・国内・海外にたくさんの自動車工場がつくられるようになったわけについて調べることができるとともに、その問題点を指摘できる。 ・自動車の生産は、国内や外国でどのように進められているのだろう。

 
・なぜ工場を海外につくるようになったか考えさせる。

・2時間
























 

工業地域と工業生産
(5時間)




















 
・工業のさかんな地域について、地図帳や資料を使い、それらの位置や生産額を調べて、共通した特色をまとめることができる。 ・工業がさかんな地域は、どんなところにあるのだろうか。

 
・豊田市を中心に調べる。


 
・海ぞいに広がる工業地域について、地図帳や資料を使い、どんな工業が多いか調べ、海岸ぞいに広がる理由をまとめることができる。 ・日本の工業地域や工業地帯は、どうして海ぞいに多いのだろう。

 
・資料の写真をもとに、輸送手段に着目させる。


 
・工業の種類について調べ、工業のさかんな地域では、機械工業を中心とした重化学工業がさかんであることをまとめることができる。 ・工業には、どのような種類があり、工業地域によって行われる工業に、違いはあるのだろうか。
 
・製品によって工業の種類分けをする。


 
・日本の工業の特色をふりかえりながら、これまでの日本工業が世界の中で果たす役割を考え、まとめることができる。 ・中小工場で働く人の様子や、大工場との関係について調べてみよう。

 
・中小工場が工業地域に集中していることを捉えさせる。

 
・自動車の増加を例として、工業生産が人の生活に及ぼす影響について考えることによって、公害について調べようとする意欲を持つ。 ・これからの日本の工業は、世界のなかで、どんな役わりを果たせばよいのだろうか。
 
・環境、資源、貿易に着目させる。


 






















 
これからの工業と環境
(7時間)



















 
・工業生産が人の生活に及ぼす影響について考えることで、公害について調べようとする意欲を持つ。 ・自動車がふえることでおこってきた問題に、どういうものがあるだろうか。 ・良い面と悪い面の両方について考えさせる。

 
・工業が原因となる公害にはどのようなものがあるか調べるとともに、四日市ぜんそくについて調べ、自分の考えを持つことができる。 ・公害はなぜおこり、それを解決するために、どんな努力をしたのだろう。
 
・原因と問題解決のための努力についてまとめる。

・2時間
・水俣病や日本の公害について調べることによって、わたしたちが健康に生活する上で公害をなくすことが大切であることに気付く。 ・水俣の公害は、どうしておこったのだろうか。また、どんな問題が残っているのだろうか。
 
・原因と問題解決のための努力についてまとめる。

 
・北九州市の空や洞海湾のよごれから環境の立て直しに努力してきた例を調べ、今日もまだ多くの問題があることをとらえる。 ・公害でよごれた空や海は、もとにもどるのだろうか。

 
・今日も、多くの問題があることを捉えさせる。

・2時間
・人々の生活や環境にやさしい工業生産について自分なりの意見をもち、「夢の工業製品」を考え発表することができる。 ・人と環境にやさしい「夢の工業製品」を考えよう。
 
・実現できるできないは問題にせず、発表させる。
本時




 




 
・ペットボトルを例として、工業製品の利点と環境への問題点について考え、問題解決に向けて自分なりの意見を述べることができる。 ・身近な工業製品について、便利さと環境への問題について考えてみよう。
 
・再利用について考えさせる。


 
 
6.校内研修との関わり
(1)研修主題
    学習意欲を高め、コミュニケーション能力を育成する指導法の研究
           インターネットの活用を通して(二年次)
 
(2)研究目標
学習意欲を高めるためには直接体験を数多く持たせること、また、コミュニケーション能力を育成するためには、インターネットの活用を通して情報教育をすることが有効であることを、実践を通して明らかにしていく。
 
(3)研究仮説
学習意欲を高めるためには直接体験を数多く持たせること、また、コミュニケーション能力を育成するためには、インターネットの活用を通して情報教育をすることが有効であるのではないか。
 
(4)年次計画(3年計画)
     1年次  学習能力を高め、創造能力を育成する指導法の研究
             インターネットの活用を通して
 
        ・表現したいこと、誰かに伝えたいことを探す。
        ・直接体験を数多く企画し、実行する。
        ・ホームページ作成の仕方を知る。
        ・WWWブラウザソフトの使い方を知る。
        ・インターネットを活用する。
・児童の活動を、写真、サウンド等、ファイル素材としてデータベースする。
        ・交流校をネット上で探す。
        ・交流校とメール交換する。
        ・ALTを招き国際交流を図る。
 
   2年次   学習意欲を高め、コミュニケーション能力を育成する指導法の研究
             インターネットの活用を通して
低 学 年 中 学 年 高 学 年
表現したいことや誰かに伝えたいことを探す。 表現したいことや誰かに伝えたいことを探す。  表現したいことや誰かに伝えたいことを探す。 
直接体験を数多く経験する。 直接体験を数多く経験する。 直接体験を数多く経験する。 
ホームページ作成の仕方を知る。 ホームページ作成の仕方を知る。  ホームページ作成の仕方を知る。 
インターネットを活用する。 インターネットを活用する。 インターネットを活用する。 

 
WWWブラウザソフトの使い方を知る。 WWWブラウザソフトの使い方を知る。 

 
写真、サウンド等をファイル素材としてデータベースする。 写真、サウンド等をファイル素材としてデータベースする。 
  交流校をネット上で探す。 交流校をネット上で探す。 
  交流校とメール交換する。 交流校とメール交換する。

 

 
交流校とホームページ上で情報をやり取りする。


 


 
同一教科、同一内容の授業をネットを通じてリアルタイムで行う。
ALTを招き、国際交流を図る。 ALTを招き、国際交流を図る。  ALTを招き、国際交流を図る。 
  *低学年は教師主導型。
  *中学年は児童と教師が一緒に。
  *高学年は児童主体型。
  *3年次は海外へ目を向けていく。
 
(5)校内研として検証したい点
@ 調べたことや自分の考えをインターネットを用いて発表し、それに対する感想を得ることから、進んで自己表現しようとするのではないか。
A 他者からの考えや意見を取り入れることにより視野が広がり、自信を持って自分の意見を言うことができるようになるのではないか。
B コンピュータの利用方法の幅を広げることで、学習の一つの道具として有効的に使うことができるのではないか。
 
 
7.本時の展開
 (1)ねらい
        ・生活が便利になることによって環境が悪化している事実があることに気付く。
・人々の生活や環境にやさしい「夢の工業製品」を考え発表することができる。
・コンピュータを利用して、自分の考えをわかりやすく説明することができる。
・友達と協力して話し合いながら作業を進めることができる。
 
 (2)展開
段階 学 習 内 容 ・ 活 動 留 意 点(評 価)











10分

 
1.前の時間までに勉強したことから、生活が便利に  なることによって環境が悪化している例を発表し  よう。
   ・紙が大量に使われることによって、ごみの
    増加、森林伐採等の問題が発生することを
    知る。
   ・生活が便利になったことで環境が悪くなるこ
    とを防ぐ製品が開発されていることを知る。




2.学習問題を確認しよう。
 
・生活の便利さと環境の問題を 紙を例にして取り上げ、本時 の学習の見通しを持たせる。
・環境を考えた焼却炉の例を紹 介する。

         ※評価 @






 













30分
 

3.アイデアを出し合って、「夢の工業製品」につい
  て話し合おう。
   ・2人ずつのグループで話し合う。
   ・環境を悪化させる問題を見つけ、それを解決
    できる製品を考える。
   ・考えたことをコンピュータを使って図や言葉
    で表現する。

4.「夢の工業製品」の宣伝をしよう。
   ・製品の特徴、生活が便利になるところ、環境
    にやさしいところを発表する。
   ・インターネットを使い交流校とお互いの考え
    を発表し合う。
 
・子ども達が作業しやすいよう に机やパソコン等の配置を整 える。(パソコン2台使用)



         ※評価 C

・当日、交流校とリアルタイム で学習できない場合は、発表 内容をホームページに掲載し 感想を募る。
         ※評価 A
         ※評価 B
 







5分

5.学習の感想を発表する。
   ・本時の学習の感想や相手の考えに対する感想
    を発表する。

6.次時の予告をする。

 

・今後の交流活動への意欲とな るようにする。


・身近な工業製品の便利な点と 問題点について学習すること を知る。
 
 (3)評価
        @ 生活が便利になることによって環境が悪化している事実があることに気付いたか。
A 人々の生活や環境にやさしい「夢の工業製品」を考え、発表することができたか。
B コンピュータを利用して、自分の考えをわかりやすく説明することができたか。
C 友達と協力して話し合いながら作業を進めることができたか。