くろいし魅力百選 その55
−午年の一代様「白山姫神社」−

津軽伝承工芸館の南西側に位置する白山姫神社は、別名「袋観音堂」ともいわれ、午年の一代様として古くから信仰を集めてきました。参道の脇には、一部が苔に覆われている石彫りの33観音像が並び、境内へと誘ないます。
徒歩10分ほどで到着する本殿には、馬の石灯籠のほか、わらの馬ぐつや絵馬が飾られ、午年の一代様にふさわしい趣きをかもし出しています。
同神社の歴史は古く、大同年間(806〜810)、蝦夷討伐の将軍・坂上田村麻呂が袋の地に陣を張った際、袋に入れた勢至観音像を大木にかけて武運長久を祈願したとの伝説があり、田村麻呂が創建したと伝えられています。
その後、文明年間(1469〜1487)に南部光政が袋観音大菩薩の御堂を再建。
さらに時代を経た正徳元年(1644)には、津軽3代藩主信義が、津軽33観音札掛所を指定し、黒石では26番に住吉宮(神明宮隣り)と27番に白山姫神社が選ばれたほか、白山姫神社は午年生まれの一代様にも指定されました。
33の姿に化身する仏といわれる観音像への信仰は、現世にご利益をもたらすことから民間信仰の中心となり、西国33霊場が有名。なお、26番目の住吉宮は、後に津軽藩祈願所の法眼寺に指定替えされています。
往時の白山姫神社は、現在の場所ではなく、移築されたのが天明8年(1788)と伝えられています。
さて津軽の一代様は、次のとおりです。
■子・・・千手観音=目屋の清水観音
■丑・寅・・・虚空蔵像菩薩=百沢の求聞寺
■卯・・・文殊菩薩=岩木町兼平の天満宮
■辰・巳・・・普賢菩薩=岩木町の愛宕様
■午・・・勢至菩薩=白山姫神社
■未・申・・・大日如来=大鰐の大日様
■酉・・・不動明王=碇ケ関古懸不動
■戌・亥・・・八幡大菩薩=弘前の八幡宮
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一代様は、これら仏教の8大尊が本尊で、古くから諸願成就や厄払いにご利益があるといわれていますが、特に勢至菩薩は阿弥陀仏の右の脇士で知恵の象徴。知恵の光で一切を照らし、人々に無上の力を会得させる菩薩として広く信仰を集めています。 |
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