ホームくろいし魅力百選>その22「造り酒屋の看板 酒林」

広報くろいし1999年4月1日号より
くろいし魅力百選 その22
−造り酒屋の看板「酒林」−

造り酒屋の看板「酒林」 みなさんは、造り酒屋の軒先に掲げられている球状の物体をご存じですか。

 これは、杉の葉を束ねたもので、古くから造り酒屋の看板として使用されてきたものです。一般に「酒林(さかばやし)」と呼ばれていますが、地方によっては、杉玉(すぎだま)、酒箒(さかぼうき)、酒旗(さかばた)などの別名もあります。

 この酒林を掲げる風習の起源は、定かではありませんが、2つの説があるようです。

 1つは、酒神を祀る奈良県三輪山麓の大神神社(三輪神社)の御神体が杉の木だったことに起因。造り酒屋が、神社の杉の葉や枝をいただいて酒林を作り、神様が宿るものとして、よい酒ができるように祈った−という説。

 もう1つは、搾りの段階で、もろみを入れた袋が破れた時の応急処置に、杉の葉で穴をふさいだことから、酒造りの最終工程「搾り」が終わったことを、広く知らせるために酒林を掲げた−という説です。

 本市では、藩政時代から酒造りが盛んに行われ、明治初期には、大小25軒余りの造り酒屋があったそうです。

 現在、市内にある造り酒屋は3軒。いずれもこみせが残る古い木造家屋の軒先に酒林を掲げ、歴史あるたたずまいをみせています。

 このうち、明治27年創業の佐藤酒造(佐藤清十郎社長)では、平成5年から新酒が仕上がる時期にあわせ、毎年新しい酒林を製作。

 今年は、2人の蔵人が4日ほどかけて作り、3月10日に飾り付けました。平賀町切明地区の杉を使用している同社の酒林は、酒樽の形をしているのが特徴。高さが1.4m、胴回り3.4mで、重さは約120kgもあります。

 同社では、昨年12月下旬から酒造りが始まり、3月には「搾り」が終了。今月上旬から殺菌に入り、早いものは下旬から出荷が始まります。

 酒林は、来年の新酒が仕上がるまでの約1年間、店先に掲げられます。

次のページへ



前ページへ戻る ホームページへ戻る