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広報くろいし1998年3月1日号より
くろいし魅力百選 その10
−冬のこみせ−

冬のこみせ


 深々と雪が降り積もるなか、「こみせ」のなかを通ると、別世界にいるような錯覚と郷愁を覚えます。

 特に夜は、辺りの静けさと凍てつく寒さがマッチして、日々の喧騒を忘れさせてくれます。

 中を通りながら、ふと目の前にたたみ模様の仕切りのれんが下がっている気がして、幼少時にタイムスリップした気分に…。そんな不思議な魅力が、「こみせ」にあります。

 こみせ(小見世)は、商家の軒の歩道上に、細かい格子の入った戸をはめて作られた建物。夏は雨や直射日光をさけ、冬は吹雪と寒さを防ぐことから、軒下づたいに歩いて買い物や用を足すことができました。

 本市の中心商店街中町・前町通りには、国の重要文化財「高橋家」をはじめ、造り酒屋や蔵などが並び、しっとりとした古いたたずまいが、格別な趣きを創出。

 北国特有の冬の厳しさが生み出したこみせは、藩政時代から残存する伝統的建造物群として、全国的にも類例がなく「日本の道百選」に指定されるなど、本市の顔的な存在となっています。

 こうした歴史的文化遺産を観光資源として生かそうと、「黒石こみせまつり」が始まったのが昭和61年。「こみせ通り」と称した路上では、多様なイベントで、毎年にぎわいを見せています。

秋のこみせまつりを"動"に対して、こみせが本来のもつしっとりしたただすまいを"静"として売り出そうと、「冬のこみせ」も行われるようになりました。

 今年の「冬のこみせ」は、2月14・15日に開催。点灯式では、商店の屋根をライトアップし、通路にかがり火をたいて、屋根から落下した雪がうず高く積もった雪だまりには、百本のローソクを灯して開会を祝いました。

 雪の白さとこみせの茶色がかもし出す2色の風景は、中世へ誘うような世界を演出しています。
冬のこみせまつり


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