くろいし魅力百選 その10
−冬のこみせ−

深々と雪が降り積もるなか、「こみせ」のなかを通ると、別世界にいるような錯覚と郷愁を覚えます。
特に夜は、辺りの静けさと凍てつく寒さがマッチして、日々の喧騒を忘れさせてくれます。
中を通りながら、ふと目の前にたたみ模様の仕切りのれんが下がっている気がして、幼少時にタイムスリップした気分に…。そんな不思議な魅力が、「こみせ」にあります。
こみせ(小見世)は、商家の軒の歩道上に、細かい格子の入った戸をはめて作られた建物。夏は雨や直射日光をさけ、冬は吹雪と寒さを防ぐことから、軒下づたいに歩いて買い物や用を足すことができました。
本市の中心商店街中町・前町通りには、国の重要文化財「高橋家」をはじめ、造り酒屋や蔵などが並び、しっとりとした古いたたずまいが、格別な趣きを創出。
北国特有の冬の厳しさが生み出したこみせは、藩政時代から残存する伝統的建造物群として、全国的にも類例がなく「日本の道百選」に指定されるなど、本市の顔的な存在となっています。
こうした歴史的文化遺産を観光資源として生かそうと、「黒石こみせまつり」が始まったのが昭和61年。「こみせ通り」と称した路上では、多様なイベントで、毎年にぎわいを見せています。 |
秋のこみせまつりを"動"に対して、こみせが本来のもつしっとりしたただすまいを"静"として売り出そうと、「冬のこみせ」も行われるようになりました。
今年の「冬のこみせ」は、2月14・15日に開催。点灯式では、商店の屋根をライトアップし、通路にかがり火をたいて、屋根から落下した雪がうず高く積もった雪だまりには、百本のローソクを灯して開会を祝いました。
雪の白さとこみせの茶色がかもし出す2色の風景は、中世へ誘うような世界を演出しています。
|
 |
|