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ホームいにしえの未来を訪ねて:Vol.2 JOMONのように、ゆっくりとおおらかに。

JOMONのように、ゆっくりとおおらかに。|片岡鶴太郎さん|縄文土器に代表される縄文文化は、岡本太郎をはじめとして偉大なアーティストに強い影響を与えてきました。画家として活躍し、陶芸にも取り組む片岡鶴太郎さんも、縄文文化に強い関心を抱くアーティストの一人。そんな片岡さんが、「ミスター三内丸山」岡田康博さんをナビゲーターに、縄文文化の魅力について語ります。

土のぬくもり

縄文土器は大きなものでは1m以上もあり、縄目の模様には100種類以上のパターンがある

片岡 すごいなあ。一面に土器が埋まっている。これは5,000年前の土ですか。感慨深いですね。いつまで見ていても飽きません。私は東京生まれですが、子供の頃には結構土がありました。土のぬくもり、感触って本当にいいですよね。

岡田 ここは土器などがまとめて捨てられた盛土です。三内丸山では、土器や土偶などの出土品が段ボール箱4万箱以上も出ているんです。

片岡 すごいですね。このジグソーパズルのような復元、一度やってみたいものです。それにしても土器は一つひとつ、とても個性的ですよね。

岡田 大きなものでは1m以上もあり、縄目の模様には100種類以上のパターンがあります。なかには蛇や昆虫のような模様も表現されています。機能性だけでは説明できない装飾が施されている土器は、縄文人の精神性と深くかかわるものだったようです。

縄が意味するもの

片岡 それにしてもなぜ縄なのですか。

岡田 繊維を寄り合わせることでより強い力が生まれます。縄文人はそれを強い生命力として縄の姿で土器に込めていたのではないかともいわれています。子供の墓には土器が使われていますが、母胎の象徴として、再生の願いを込めていたとも考えられます。

片岡 縄文人には、家族への強い優しさを感じます。三内丸山では、装飾品類も出土しているんですか。

岡田 ヒスイ・コハクなどを使った装飾品が多数出ています。ヒスイは新潟、コハクは岩手のものであることが分かっていて、三内丸山の人々は広く交流・交易をして、この地で加工していたようです。

創作への姿勢

片岡 (展示室のヒスイを見て)素晴らしいなあ。薄い緑の濃淡がなんともいえず、実に美しい。見ていると胸を打たれます。原石はそうとう重く硬いようですが、ここまで磨きあげ、穴まで空けるには、気の遠くなるような時間がかかっているはずですよね。縄文人がもの作りに、相当の時間をかけていたことが分かります。

岡田 あえて時間をかけることに、意味があったのでしょう。

片岡 このヒスイには、5,000年前の人々の願い、祈りが込められていると思います。やはり創作とは、一つのものにどこまで魂を込めることができるかなんですね。時間はもちろん、他のことなど一切気にせず、純粋に物自体に向き合っている。創作の姿勢とはこうあるべきではないか、自分の創作もこうありたい、三内丸山に来て改めてそう実感しました。

JOMONのように、ゆっくりとおおらかに。|片岡鶴太郎さん

ゆっくりとおおらかに

縄文人が作った土器やヒスイの飾り

岡田 縄文人は、願いや祈りを込めてもの作りをしていたので、当然豊かな精神世界を持っていたと思います。

片岡 縄文人が作った土器やヒスイの飾りは5,000年後の私たちの魂を激しく揺さぶります。ゆるやかな時間の流れの中で、もの作りに時間をかけ、思いを込める。このことって本当はとても大事なことだと思います。そしてそういったことが、精神的に豊かな生き方とリンクしている。私はこれこそが、日本文化の原点なのではないかと思います。
 どうです。この縄文土器を見てください。ゆっくりと流れていた時間にしか生み出せない屈託のないおおらかさを感じるでしょ。

プロフィール|Profile

片岡鶴太郎さん|俳優・画家

●かたおか・つるたろう/1954年東京都生まれ。高校卒業と同時に片岡鶴八に師事。バラエティーやドラマ、映画で活躍。40歳から墨彩画を始め、全国で多数の個展を実施。


岡田康博さん|青森県教育庁三内丸山遺跡保存活用推進室長

●おかだ・やすひろ/1957年青森県生まれ。弘前大学教育学部卒業後、青森県埋蔵文化財調査センターに勤務し、青森県内の遺跡調査に従事。92年から三内丸山遺跡の調査を担当。元文化庁文化財調査官。
エッセイ「縄文遊々学」を執筆中。

 

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