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縄文エッセイ|「縄文ファン」の方々が綴ったエッセイ。青森の縄文遺跡の魅力に迫ります。
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ホーム縄文エッセイ あそこのおかあさん縄文人だから:第14回 縄文出産

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あそこのおかあさん縄文人だから|山田スイッチ

第14回 縄文出産

2009年6月19日

どうも。「あそこのおかあさん縄文人だから」の山田スイッチです。
無事に出産を終えて、再び連載に戻って参りました!
画像:竪穴式住居  
自宅の庭に、10平米の竪穴式住居を建てたのが昨年の8月。直径3メートル、深さ1メートルの穴を掘り、杉の丸太で柱を立てて。造園やさんから頂いてきた3メートルほどの棒で骨組みを組み、東南の方向に入り口を設け、杉の板葺きの住居を造ったのですが。
完成したその日に「第2子を妊娠している」ことに気付きまして。そうした状態で生まれてくる子(親が竪穴式住居の建設のために、土木作業に奔走している最中に生まれてくる子)っていうのは、案外。縄文以来なのではないでしょうか……?
 
穴掘りやら大工作業やらで、過酷な状況で育った我が子も今年、無事に丸々とした姿でこの世に生を受けました。縄文人のお母さんというからには、縄文風な出産をしているイメージを持たれるのかもしれませんが。いたって普通に産婦人科で産みました。
いたって普通に、産んだのですが……、
出産日の前々日に、憧れの民俗学研究家の田中忠三郎さんから、麻縄が送られてきまして。
驚いて開けてみると、中にはこんなメッセージが。
 
「昔、産婆さんもいない頃、出産にはおなかに麻ひもを巻いておりました。麻には、神が宿るもの、聖なる力があるものといわれ、赤ちゃんを守ってくれました。この麻ひもが赤ちゃんを守って下さるでしょう。」そして、封筒の中からは白い紙に包まれた、麻縄がでてきたのでした……!「縄!?」
 
そうこうしているうちに、陣痛がやってきたのですよ……。その時の私の、切羽詰まった心境はこんなものでした。「縄を巻いて安産なら、巻いてしまえばいいじゃない!」 
腹に麻縄を巻き、会社に行った夫を電話で呼び戻すと、既に陣痛は3分間隔。移動の最中に「イダダダダ! イダダ! イダダダ! い~た~い~」と、呻きながら産婦人科へ向かう夫と私。途中、車窓からは青空に映えた真っ白な岩木山が見えて、なんともいえない出産日和。まるで岩木山麓にある大森勝山遺跡の縄文の神様も、応援してくれているような気がしてきます。産むなら、今日!
  
長男出産時にかかった時間は4時間35分でしたが、今回は分娩台に上がり、いきんでいたら、なんと。分娩台に上がって、約18分で産まれてきてしまったのでした……!
縄文らしさというものがあるとすれば、腹に麻縄を巻いて出産したら、18分で産まれたという辺りでしょうか。

画像:イラスト  
出産は本当に、あっという間の出来事のようで。子供を産む作業というのはまるで、あそこでビッグバン(宇宙創生の大爆発)が起こっているような激しいものだったのですが。 産まれてきた赤ちゃんはとても小さく、こんなに小さくて可愛いものを育てながら、暮らしていけるのかと思うと……。
ただ太陽が昇って、朝が来て、夜が来て、
また太陽が昇って、朝が来て、夜が来て、生きてるだけで。
しあわせだと思えてくるのでした。


 

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