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| テーマ『山』秀逸以下略 |
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| 工藤 邦男 選 |
| 天位 |
| 山頂の大岩の影迫るときサイギサイギの声湧き出づる |
| 日野口 晃 (青森県十和田市) |
| 評 |
大岩のある山頂近くまで登ってきて山の尊厳に一行の誰からともなく「サイギサイギ(懺悔懺悔)」の唱和が起った。これは人間の謙虚な気持ちのあらわれで、それ故に人間は高い山にあこがれ崇める。山を征服するのではなく、「六根清浄」を唱え、頂上まで到達出来たことに感謝する。これが登山の真髄であろう。 |
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| 地位 |
| わが父より継ぎし杉山枝打てば丈あざやかに天を差しゐる |
| 西村 昭子 (青森県十和田市) |
| 評 |
父からうけ継いだ杉山の手入れをして下枝などを切り払ったら、普段は見えなかった杉の姿が、丈も高くあざやかに真っ直ぐに天を差してのびていた。作者の満足感が下句に余すところなく表出されている。さぞ、節のない良材が得られることでしょう。 |
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| 人位 |
| 今日の飛行アルプス山脈越すと聞きおずおず頼むウインドー席 |
| 小橋 順子 (青森県上北郡野辺地町) |
| 評 |
今日のフライトコースはアルプス越えだと聞いて座席を窓側にとったが、その心境は「そわそわ」でも「わくわく」でもない、「おずおず」だという。アルプスを覗き見たい気持ち、なんとも落ち着かない様子が素直に表現されて微笑ましい。 |
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| 大石 悦子 選 |
| 天位 |
| 百あらば百の形に山笑ふ |
| 高野 万津江 (青森県弘前市) |
| 評 |
<山笑ふ>は春の芽吹きはじめの華やかな山の様子を譬えたもの。樹木の種類によって芽吹きの色合いや遅速が異なるので、隣り合った山でさえ微妙な違いを見せる。まさに山が百あったら百態の春の山が現れ出るのである。簡潔にして朗誦性を具えた佳句である。 |
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| 地位 |
| 遠山の裾まで晴れて田植ゑかな |
| 斉藤 由雄 (青森県五所川原市) |
| 評 |
はるか遠方の山裾まで見えるほど晴れわたった日の田植。豊作への期待も自ずから湧く。四方を山に囲まれた広大な盆地での田植風景が見えるようだ。 |
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| 人位 |
| 山脈は出羽に続けり朴の花 |
| 小向 萩月 (青森県十和田市) |
| 評 |
山々の連なる出羽地方を詠ったもの。朴の花の咲く頃の瑞々しい国ぶりの頌め歌である。 |
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| 定本 広文 選 |
| 天位 |
| 気が合った山でにんげん取りもどす |
| 川村 俊雄 (青森県上北郡おいらせ町) |
| 評 |
高い低いは、あったとしても山は、スケールの大きい存在。現在の登山ブームを見て分かるのは、山がそこにあるから登るのではなさそうだ。それぞれの好みがあって、グループで遠出という姿も見る。気が合う、人間性を取り戻す…。現代を生きる主張を感じさせる着眼点だ。 |
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| 地位 |
| この坂を越えて来たかと山仰ぐ |
| 浦井 隆 (福島県安達郡本宮町) |
| 評 |
長くて、つらい人生だった。人それぞれに生き方は違うはずだが、振り返った時の思いは多分、同じだろう。平坦な道よりも坂ばかりだったと思うのは、負けずに通したから言える。句の中七に、苦しい坂の連続と山の存在が生きている。 |
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| 人位 |
| 開発に遅れて残る里の山 |
| 滝内 政子 (青森県十和田市) |
| 評 |
かつては寒村と言われた我が町。今でもバスは一時間に一本、JR駅は山道を下って約三十分。この句と同じである。合併で市名は付いたが、まだ自然は十分に残っている。不自由さもあるが、有り難い里の山だ。 |
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| 中里 茉莉子 選 |
| 天位 |
| 夕ぐれで紅い世界にどっしりとかまえた山は父に似てる |
| 南部 寛乃 (青森県十和田市 十和田市立甲東中学校 三年) |
| 評 |
表現は荒削りですが、たっぷりと詩を含んでいて光っているうたです。絵画的なとらえ方に勢いがあり、父の存在の大きさ父親への畏敬の思いがすがすがしく伝わってきます。 |
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| 地位 |
| 山道に迷いし時に教えてくれた水車小屋のおじさんありがとう |
| ホウグ カイル (青森県三沢市 三沢市立第一中学校 二年) |
| 評 |
素直な気持ちが一首の中にあふれています。山道に迷ってしまった不安感もおじさんに出会うことによって、スーッと消え去りました。人のあたたかさ、ありがとうの言葉が光っています。 |
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| 人位 |
| 夏の山ヤッホーとよぶ青空に緑の風とこだまがかえる |
| 渡辺 奈央子 (秋田県南秋田郡五城目町 五城目町立大川小学校 四年) |
| 評 |
季節感がさわやかであり、心地よい開放感が伝わります。緑の風とこだまに感性が光っています。 |
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| 沼山 虹雨 選 |
| 天位 |
| まつたけに山の匂いがつまってる |
| 水尻 雄大 (青森県三沢市 三沢市立第一中学校 一年) |
| 評 |
松たけは、香りが高く風味にすぐれ、きのこの王様と言われる。いま採れたばかりの松たけに、山全体の匂いを嗅ぎとったところに、作者の感性が働いている。 |
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| 地位 |
| 葉をゆらす山もゆらすよ秋の風 |
| 下山 達也 (青森県十和田市 十和田市立南小学校 六年) |
| 評 |
自然の動きをよく観察した句で、目前の葉の揺れる小景と、山全体が揺れる大景を同時に捉えたところが良い。「ゆらす」のリフレインは秋風の強調である。 |
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| 人位 |
| エベレスト頭のてっぺんいつも冬 |
| 豊川 育史 (青森県三沢市 三沢市立第一中学校 一年) |
| 評 |
写真やテレビ等で見た風景を句にしたと思うが、着眼点がよく、万年雪をいただくエベレストの感じがよく出ている。 |
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| 岡本 かくら 選 |
| 天位 |
| 夢という山を絶対のぼりきる |
| 佐藤 雄樹 (秋田県秋田郡大潟村 大潟村立大潟中学校 二年) |
| 評 |
年とともに、将来の夢は大きく広がって形になる。その夢の山に向かって努力するたくましさが、「絶対」ということばに感じられる。ぜひ、夢の実現を。 |
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| 地位 |
| 朝になり山が太陽送り出す |
| 樋熊 亜輝 (秋田県秋田郡大潟村 大潟村立大潟中学校 二年) |
| 評 |
世界を照らす太陽が、山々の向こうから昇ってくる。それを、朝の通勤や通学生が家族に見送られているようだと、見つけたところが楽しい。 |
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| 人位 |
| 頂上にきれいなけしき待っている |
| 加藤 真優 (青森県十和田市 十和田市立ちとせ小学校 四年) |
| 評 |
頂上からのすばらしいけしきと、そこで食べるおにぎりのおいしさ。それも、汗をかきながらのぼったからのこと。さあ、元気でのぼろう。頂上も近いよ。 |
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